登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得する方法を司法書士が解説!

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執筆者 塩谷 陽子(しおや ようこ)
 つなぐ司法書士事務所 代表司法書士

信託・相続・登記を専門とする、つなぐ司法書士事務所(所在地:横浜市旭区)の代表。大学卒業後、都内のコンサル会社で複数のプロジェクトを経験し、2016年に司法書士試験に合格。都内司法書士法人で不動産、相続、後見、企業法務などを多数経験し、2023年に独立。女性ならではの丁寧・親身な対応で多数の顧客から支持されている。

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「登記簿謄本」という言葉を聞いたことはありますか? 不動産取引や相続、会社設立、合併など、大切な人生の節目で必要となるこの書類。しかし、なんとなく大切なことはわかるけど、具体的に何を確認するために必要なのか、どうやって手に入れるのか、はっきりとは理解できていないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな「登記簿謄本」について、その必要性から取得方法までを詳しく解説します。これから不動産を買う予定がある方、相続登記を申請する方、会社の謄本を取得したい方、新しい知識を身につけたいという好奇心旺盛なあなたに、ぜひお役立ていただければと思います。

さあ、一緒に登記簿謄本の世界を探求していきましょう!

youtubeでも解説していますので、チェックしてみてくださいね。

目次

登記簿謄本の必要性と基本情報

登記簿謄本とは何か?

登記簿謄本(とうきぼとうほん)は、不動産や会社などに関する公的な記録を閲覧するための書類です。これは、法務局という行政機関が管理しており、誰でも取得することが可能です。

なぜ登記簿謄本が必要なのか?

登記簿謄本は、例えば不動産取引や会社設立、合併などの際に、その物件や会社の正確な情報を把握するために重要な役割を果たします。

不動産の場合は所有者や構造、面積などを、会社の場合は商号や所在地、目的や役員構成などを確認するのに用います。

登記簿謄本の種類とその特徴

登記簿謄本には、代表的なものとして「不動産登記簿」と呼ばれるものと、「商業登記簿」と呼ばれるものがあります。

不動産登記簿とその内容

不動産登記簿には、土地や建物の面積、構造、所有者など、不動産に関する重要な情報が記載されています。

これにより、物件の詳細を確認したり、売買や賃貸の際にはその権利関係を明らかにすることができます。

商業登記簿とその内容

一方、商業登記簿には株式会社や合同会社などの商号、本店の所在地、目的、資本金、役員の氏名などの情報が詳細に記載されています。

これを活用することで、ビジネスパートナーを選ぶ際の参考資料となったり、融資や投資の判断材料となったりします。

【要注意】登記簿謄本と登記事項証明書の違い

この不動産の登記の内容が記載されている書類のことを「登記簿謄本」といったり、「登記事項証明書」といったりします。この違いはなんなのでしょうか?

それは、登記に関する歴史的なお話が関係してきます。

登記簿は以前、紙で作成(記入)され、保管されていました。そして登記の内容を確認したいとき、昔はその登記簿のコピーをもらっていました。「コピー」を難しく言うと「謄本」という言葉を使うので、登記簿のコピーは「登記簿謄本」と一般的に言われてきました。

しかし現在、登記の内容はコンピューターで電子化されています。そして、この登記の電子データをもとに証明書を発行してもらうのですが、その証明書の正式名称が「登記事項証明書」と呼ばれています。

つまり、今登記を確認したい皆さんは、基本的に「現在」の情報(=電子データ化された登記情報)を確認したいと思いますので、皆さんは「登記事項証明書」を取得することになります。

しかし、昔の名残もあるのか、「登記事項証明書」を「登記簿謄本」と呼ぶ方も大勢いらっしゃるので、この違いをあまり気にしなくても大丈夫なのですが、実際に発行される書類には「登記事項証明書」と記載されていますので、頭の片隅に入れておいてください。

「登記簿謄本」と「登記事項証明書」は同じような意味合いで呼ばれていることが多い。

このブログでは、一般的に使われている「登記簿謄本」という呼び方で記載していきます。

【要注意】不動産登記簿を取得する場合に「住所」では取れません!

土地や建物などの謄本を管理している法務局では、いわゆる「住所」と呼ばれる住居表示ではなく、土地は「地番」、建物は「家屋番号」で管理しています。

つまり土地や建物の登記簿謄本を取得する際に、土地であれば「地番」を、建物であれば「家屋番号」を指定する必要があります。

その土地や建物の住所が分かっていても、必ずしも住所は地番や家屋番号と一致していませんので、あらかじめ建物の番号を調べておくことが重要です。

地番・家屋番号の調べ方

家屋番号を調べる3つの方法についてみていきます。

権利証(登記済証・登記識別情報)や、固定資産税の課税明細書を確認する
建物の権利証には家屋番号が記載されているので確認してみましょう。
また、固定資産税納税通知書がある場合は、課税明細欄を見れば家屋番号の確認が可能です。

市区町村役場の税務課で確認する
市区町村役場の固定資産税を担当している部署に行けば、固定資産税評価証明書や固定資産税の名寄帳を取得して、確認することができます。所有者や所有者から委任を受けた者であれば、確認することができます。

不動産を管轄している法務局に問い合わせる
住所がわかっている場合は、その住所を管轄している法務局に電話で問い合わせて、地番や家屋番号を問い合わせることができます。課税明細書も権利証も手元に無い場合は、こちらの方法を試してみてください。
なお、管轄している法務局は、▶法務局のホームページ で調べることができます。

登記簿謄本の取得方法の種類

登記簿謄本の取得方法は、上記のようにいくつかありますが、今回このブログでは、皆様に本当におすすめしたい方法からご説明します。

法務局に行かずに謄本取得したいなら「オンライン請求+郵送取得」が便利!

登記簿謄本の取得は、オンラインで請求することが可能です。

そして、請求する際に「郵送請求」を選択すれば、法務局に行かずとも謄本を家に届けてくれます。

法務局に行かなくても謄本をゲットできる!

オンライン請求の流れ

STEP
事前登録

まず、法務局のオンライン申請システムにアクセスしてみましょう。
申請者IDをお持ちでない場合」というリンクをクリックし、事前の会員登録をします。
事前登録登録は、氏名や住所、メールアドレスなどを入力し、画面の指示にそって進んでいけば、約3分程度で完了します。

STEP
オンラインで謄本を請求する

取得したい登記簿謄本の必要項目を入力し、請求してみましょう。
※この際の操作の流れについて、法務局にいろいろなマニュアルが用意されています。
 ちなみに初めにご紹介した動画で、画面イメージをご紹介していますので、参考にしてみてください。

オンライン請求受付時間は、平日の午前8時30分から午後9時までです。

STEP
謄本手数料をオンライン決済(ネットバンキングによる振り込み)をする

オンライン請求を送信した後、電子納付を忘れずに行うようにしましょう。

オンライン請求して郵送で受け取る場合は、1通あたり500円かかります。郵送方法を書留や速達に指定した場合は、手数料が変更しますが、画面に請求額が記載されていますので、ネットバンキングで指定額を振り込みます。

【要注意】
午後5時15分以降にオンライン請求をする場合、翌業務日の午前8時30分以降に受け付けられます。
通常、手数料については、受付後に電子納付することが可能となるため、注意してくださいね。

STEP
郵送で到着するのを待つ!(概ね2~3日)

一般的に謄本を請求・納付してから、郵送で到着するまで2~3日ぐらいかかると言われています。

急ぎの場合は、速達で送付してもらうこともできます。

オンライン申請のメリット

この方法の一番良いところは、なんといって も法務局に行かなくても登記簿謄本が取得できるところ。

法務局は、場所によっては駅から遠く離れた場所にあったり、日中お仕事をされている方などは、法務局になかなか行きづらいですよね。それがオンライン請求だと自宅からでも夜の9時まで 請求が可能になるので、時間の融通もできて大変便利です。

そして、もうひとつの大きなメリットは、手数料が安くてお得なところ。

そもそも登記簿謄本は、通常、取得するにあたって1通600円の手数料がかかります。それがオンライン請求をして郵送で受け取る場合は、1通あたり500円100円安くなります! 同じ内容の書類なら、安い方がいいですよね。

例えば 10通請求する場合は、窓口に行って請求するより、1,000円も安く取得できてしまうんです。

オンライン請求+郵送取得は、時間と労力、金銭的にもスマートに取得することができるんです。

オンライン申請+郵送取得のデメリット

しかし、一方でデメリットもあります。

今日にでも欲しいといったような、緊急で取得したい場合や、パソコン操作が苦手な人にとっては、郵送での到着を待つ時間がかかったり、申請手続きが難しい場合なども考えられます。

こういった場合は次にご紹介する方法が、結局は一番手っ取り早い方法となります。

「大至急で取得したい」なら、最寄りの法務局に行くしかない!

法務局に行けば、窓口で申請してから5分~20分で発行してもらえる!

法務局の混雑状況にもよりますが、法務局の窓口で申請を行うと、一般的に約5分から20分で発行してくれます。ただし、取り扱い時間は通常の業務時間内となるので注意が必要です。

法務局の窓口 受付時間:平日の午前8時30分から午後5時15分まで

全国どこの法務局でも、誰でも発行してもらえる!

現在の登記内容は電子データ化されており、公開されている情報のため、どこの不動産であっても、会社の登記であっても、全国の法務局で取得できます。そして、誰でも発行してもらえるため、委任状などの書類は必要ありません。

法務局での謄本請求について

▲このような「登記事項証明書交付請求書」という書類が法務局にあるので、この紙に必要事項を記入して、受付をしてもらいます。

一番安くて早い方法は「オンライン請求+法務局で受け取る」

結局、法務局に行くことにはなりますが、最初にご紹介したオンラインで登記簿謄本の請求を行ってから、その後法務局で直接受け取るという方法もあります。これを利用すると、1通あたり480円になり、通常の600円よりもさらに安くなります。

この場合、オンライン請求する際に、次のように取得方法を「窓口受取」とすれば、指定した最寄りの法務局で取得することができます。

法務局のホームページでは、次のように案内してもいるので、パソコン操作が苦手でない方は、こちらの方法もお勧めです。

あらかじめオンラインで請求しておくと,窓口での待ち時間も短縮されます。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html

まとめ

つなぐ司法書士事務所 代表司法書士 塩谷陽子

登記簿謄本は不動産や会社の詳細情報を確認するための重要な書類で、取得方法は、それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分の状況に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

時間に余裕があれば「オンライン請求して郵送で取得する方法」が便利ですが、急ぎであれば「法務局での直接取得」が適しています。

今回はそれぞれの方法とそのメリット、デメリットを詳しくご紹介しました。ぜひ、参考にしてみてください。

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